「片想いの彼を〜」「愛される〜」みたいな恋愛本は、ベストセラーから流行りっぽいのまでいっぱい出てるんだけど
少なからず、これは本当に効果があんのかなーと思いながら買ったことがある人も少なくないよね。
というのも、本はどうしても恋愛に対して総括的な話をすこーしずつ書くことになるから「あの本もこの本も、大して内容変わらなくない?」というのが多くなるデメリットもあります。
ただし、その中でもベストセラーになったり、世界中で売れに売れた恋愛本もあるわけです。
なので、せっかく本を買ってまで得たいものがあるのに
- なんか…どこでも聞けるような内容だったなー
- そんなに「すごいね」って言ってるだけじゃ、頭悪そうに思われて終わりじゃない?
- 世界中で売れた本に書いてあるテクニックだけど、アメリカの男にはいいとしても日本でこれやったらヒンシュク買うんじゃないか
こういう微妙なモヤモヤを解消できたらいいなーと思って。
むしろ、ここを解消するだけで本にしろブログにしろ、吸収できるものの質がだいぶ違うと思います。
そもそも、ひとくちに「彼」って言ったって、性格も出身も家庭環境も職業も違うのに、なんで「彼に好かれる」恋愛ハウツー本がまかり通ってるのかって疑問もなくなるんじゃないかなー。
しかも、1冊1500円くらいするからね。たくさん買って読み捨てて試せるほど安くないですし。つーか高いよ!
恋愛を法則化したものが恋愛本なんだけど、科学実験のようにはいかないのでござる
まず、恋愛本っていうのは恋愛や男女関係をできるかぎり法則化したものなのね。
なんだけども、恋愛って目には見えないじゃない。気持ちも愛も恋もトキメキも、可視化はできないんです。
実験施設の整ったところで脳波を計測して、やっとヒントが得られるくらいのものなの。
個人的には、合コンで「うわー!彼って超キュートよね!」みたいなその場限りの感情を計測してるのでもない限り、脳波で光った部分に愛情が〜とか言われてもピンとこない。
その反面、たとえば科学でなんらかの法則性を見出したいときは
- 最初に、対象を観察
- 次に、仮説を立てて
- 仮説から得た法則を、モデル化する(Aのときはこうなって、Bのときはこう反応する)
で、それを更に実験を重ねて、根拠を増やしたり確証を得たりして、実りあるものにしていく。(だいぶ大雑把)
つまり、めんどくさい言い方になっちゃうんだけど、抽象と具体を行き来してるんです。
恋愛本は、目には見えない「愛と恋」について、上の実験をやってくれたもの!って捉えておくことにするね。
まあ、本を書いた女性ただ1人の観点に基づいて書かれたものなのか
もしくは男性脳を俯瞰したときに、ある程度誰にでも当てはまる特性について書かれたものなのかによって
実験の精度(中身の良し悪し)が変わってくるというわけなのですが。
ただし、確実に目に見える、物理的なモノに対して実験するのとは大きく違うところが恋愛にはあって
- こうしたら彼に好かれるよ!
- 男は三語であやつれるよ!
- アレやったら愛されるよ!
これが、さっきの抽象と具体の、具体にあたるわけです。実験結果みたいなやつ。
じゃあ、その実験結果を出すにあたって、恋愛についての前提や、個人の条件はどうなっちゃってるのってのが困りどころになってきます。
恋愛がケースバイケースだなんてのは当たり前の話なんだけど、たぶん、恋愛指南書意味ない説を唱えてる人たちが指摘してるのはそこなんだよね。
相手の人柄、機嫌によって、王道の言葉が使えないこともいっぱいある。
そのうえで、なにも考えずに「すごい」「センスいい」とか言ってても頭悪そうに思われて終わりだよ!っていうところを、恋愛指南書はなかなか覆してくれないからなんだよね。
つまりは
- そもそも、著者は恋愛や男性をどう捉えたうえで、なにを前提として書いた本なのか
- 恋愛とひとくちに言っても、片想いや彼にパートナーがいる場合など、個人の条件付けはどうなってるのか
こういう、本を書く人が「自分は恋愛というものを◯◯だと思っていて、それには◯◯のやり方が適当なので、◯◯な人に読んで欲しいなと思って書きました」ってのが、読者とあんまり共有できてないのね。
この共通の考えがないと、いくらテクニックや言葉を覚えても応用が効かなくなるよ。
実験者「恋ってこういうもの!愛ってこういうもの!だから、具体的にはこういうセリフで男は落ちる!」→応用がきく
私たち「なるほど、そういうセリフをいっぱい言えばいいのね!」→応用がきかない
たとえば何もしなくてもモテる女性や、恋愛上手な女性は、この「男ってこんなもん」っていうアタリをつけて動いてるわけだけど
自然と「正解の概念」を身につけて動いてるから、モテるのね。
同じセリフ1ついうのでも
「男ってみんな浮気するし、どうせ付き合ってしばらく経ったら手を抜くし…」って前提があってやるのと
「男って1度夢中になったら際限なくお金を使ってくれるし、時間もあるだけ注ぎ込むし、それってやり方次第ではそれなりに長く続くもんなんだよね!」って前提でやるのでは
あきらかに効果も、そもそものやるべき具体も違うのがわかると思うのね。
ここは、目に見えるものの実験なら、絶対明らかにしなきゃいけないところなんだよ。
モノを何度で加熱したとか、実験に使ったのはマウスなのかラットなのか。
同じネズミじゃんと思っても、それは一括りにしちゃいけない大事な条件だから。
恋愛でも、彼に彼女がいる、彼に奥さんがいる、彼がフリーである、の全てを「片想い」って一括りにしたら、うまく作戦立てられないですし。
だから、恋愛本を選ぶときも細かい前提条件は自分に合ったものを選ばないと、納得や効果を感じるのは難しくなってきます。
ベストセラーな恋愛本は、前提と対象がハッキリ明言されてることが多いんじゃないかなー
以上を踏まえて恋愛本を選んでいく必要があるんだけど、ベストセラーになったような本は、やっぱり恋愛の前提や書き手の意図がハッキリしてることが多いんじゃないかなー。
多くの人が「わたしに向けた本なんだな」って納得して、効果を感じてるってことだから。
だいたいの場合は、まえがきに何となく書いてあることも多いよ。
電子書籍で本を買う人はやりやすいと思うんだけど、試し読みができる本なら、まえがきくらいは読めたりする。
簡単にいうと「私は冷めた夫婦生活を取り戻したくて◯◯を実践して、今ではなぜ離婚を考えていたのかも忘れそうです!」って本だったら
5年以上の交際か、結婚していて大きなマンネリをかかえた人向けで、なんとかして彼との関係を盛り上げるためのテクニックについて。
「自分は男性として心理学者として、男性の意味不明な行動に悩まされている女性を助けることができます」って本だったら
男性脳や、男性特有の女性には理解しがたい行動を俯瞰して見る方法がわかる。その上で、彼を放っておくのもコントロールするのでも、好きなように使っていいよって本。
たとえば、この後者の本を使いこなそう〜と思ったら、先に自尊心や不安に負けない心についての本を読んだほうが早い人もいるかもしれません。
こんなかんじで、同じようなことが書いてあるように見えても、著者との恋愛の前提を共有して、何をどう変えたくて本を読むのかって条件が合致してるものに「偶然当たる」のは、意外と難しいんだよね。
だからこそ、ここをクリアして選んだ恋愛本にはそれなりの意味があることを、なんとなく感じてもらえたかなーと。
ベストセラーだからといって今も書店に並んでるとは限らないし、なんか立ち読みするの恥ずかしかったりするよね。
堂々としてりゃいいのかもしれないけど、見知らぬ人々に「わたし、好かれたい彼がいんのよ!!」って公表してるみたい?とか自問自答したりして。
なので、有名な本を何冊か、どういう前提で書かれた本なのかを挙げてみます。
これこそ今の私にピッタリだ!と思えるような本があるとは限らないんだけど、少なくとも「ベストセラーなのに、違ったわ…」ってのはなくなるよ。
THE RULES JAPAN 恋と結婚のルールズ
有名ですねー。ルールズ。
この本の前提
- 会いたくても電話したくても、それをさせようと画策したり、自分からきっかけを与えようと働くことでダメになる恋はとっても多い
- 他にも、付き合いたてなのに起きている時間のほぼ全てを彼と通じていたり、自分のことを好きかと聞きまくるなど
- 関係が固まらないうちにやると、彼の心が離れていく落とし穴を避けるための「ルールズ」
もちろん、不安に駆られて「やりたくなくても」「わかっていても」ついやってしまうことが多々あるため、ルールズとして可視化して、恋愛を前に進めるコツが知りたい人向け。
効果を得られやすい人
- 2、3回デートしたら自然消滅
- どうでもいい人には好かれるけど、気になる人とはうまくいかない
- 出会い〜付き合って3年目で、別れる別れないの話がよく出る
サレンダード・ワイフ 賢い女は男を立てる
ワイフって書いてるけど、今だったら「結婚してないけど男女共に忙しい」のが普通なので、あんまり気にしなくていいかもです。
この本の前提
- 彼の愛に包まれながら、不安のない生活を「ゆるやかな道を進むように」おくるためには、女性が生きることに忙殺されていて、彼の世話や家事、こまごまとした用事で手一杯になっていることは1番の弊害
- そのためには、彼を信頼し(最初はウワベだけだとしても)、それをうまく伝える方法を知って
- たとえ家計の管理や掃除など、一般的には苦手だとしてもやるべきとされていることでも、できないことをできないと言い、彼がしてくれることを全て受け取る技術も大事になってくる
女性にのしかかった細々とした荷物を下ろし、その上でセルフケアをしないと、余裕を持った(アメリカ的にいうと)エレガントなパートナーではいられないのではないか。
効果を得られやすい人
- 「気づいたら私ばかり働いてるような気がする」
- 「なぜ彼がデートのセッティングや家事をしないのかがわからない」
- 彼を待つ・やってあげる・譲ることが、彼を待たせる・やってもらう・譲られることよりも圧倒的に多い
どっちかっていうと、結婚していない状態で彼に尽くしすぎしている女性に向いてるんじゃないかなー。
一人になりたい男 話を聞いてほしい女(ベストパートナーになるために)
この本は、有名な「ベストパートナーになるために 男は火星から、女は金星からやってきた」の新装版みたいなもんです。
上のサレンダードワイフと前提は似ているんだけど、「男女共に仕事が忙しくなってしまって、お互いに気持ちの切り替えが効かず、前よりも心の繋がりを求めるようになったよね」という視点が強いよ。
なので、他の本と大きく違うポイントとして「彼に尽くしすぎない・自分のケアをする」だけでなく正しく彼の心の支えになる方法を学べる本になってます。
仕事を含めて、今の私たちの生活に基づいた前提として
- 仕事終わりの彼が家に帰るとき、いちど1人になって心を落ち着けないと、こっちの話を聞ける体制が整っていない
- 「お茶汲みコピー取り」みたいな仕事が無くなったため、私たちも仕事終わりには切り替えが効きにくくなってる
- 家にいても家事に追われるように感じるのは、責任感や仕事で使うための強い心からスイッチオフできていない
こういう、現代人の避けられない忙しさは変えられないから、その上でお互いに精神的な繋がりをもたないと、結婚は(いい状態では)長く続かないよね。
いい意味で夫婦を戦友として捉えていて、私は好きな考え方。
効果を得られやすい人
- 彼との生活のほとんどが不満で、一緒にいることにメリットを感じられていない
- 彼の仕事が忙しすぎるために孤独感を感じる
- いつかは子供が欲しいと思っている、もしくは子育て中で、忙しくても夫婦としてのコミュニケーションや信頼を失わない生活の基盤を整えておきたい
男女共に、それなりに仕事が忙しいカップルのほうが使いやすいかも。
スパルタ婚活塾
ここから日本の本でーす。
キャピキャピしたノリや媚びたかんじは昔から苦手だったけど、完全に素の態度だと男性との話がイマイチ盛り上がらないんだよねーと悩んでる人に。
変に可愛こぶらない方向で、男ウケやモテに少しだけ歩み寄ると、いい感じにモテる人が多いので即効性のある分野かも。
他にも、効果がありそうな悩みの前提として
- 恋愛を意識してしまって、自然に男性に声をかけられない
- 男性と話が盛り上がる、馬が合うという経験が少ない
- どうにも受け身で、自分から動いて恋愛をけしかけるのが苦手に思う
「褒める」「聞き上手」以外の方法で話を盛り上げて、お互いに自然と恋愛対象として仲良くなっていくのが得意じゃないのかもしれない。
たとえば職場とか、じわじわと人となりを知ってもらって恋愛に至るタイプだと思うんだけど、この本で短期的なチャンスに強くなるとモテるようになるよ。
異性の心を上手に透視する方法
恋愛のはじまりはどうであれ、1つの恋愛が終わるときには「ほとんどいつも」
- こっちが依存的になり、相手がそれに呼応するかのように冷たくなる
- 彼を気になっていたはずなのに、相手の好意がわかると気持ち悪くかんじる
- 付き合いはじめると相手の気持ちがイヤになる。「会いたい」に冷める
つまり、依存か回避によって恋愛が終わる人向けの本です。
まず、世界中に、そのせいで恋愛に苦しんでる人がいっぱいいること。
選ぶ相手を間違えなければ、それなりに平穏に長く続く恋愛ができること。
でも、気の赴くままに好きになれそうな人を選んでいては、それが難しいこと。
本を通して、この3つのメカニズムを知っちゃったほうが、幸せが早く掴めると思うなー。
「なんでそうなるのか」を1度だけでも客観的な事実を通して見てみると、すぐいい人掴めちゃったりするしね。
(これは日本の本じゃなかった)
男は3語であやつれる
男性が書いた「すごーい」「どうしてこんなに楽しいんでしょうね?」「甘えちゃっていいですか?」みたいな、ベタな言い方は本当に効くんだぞ!って本です。
たまーに、若干女性に夢を見過ぎではないのかという部分もある。著者は既婚者なんだけどね。
「女性なら、料理にほんの少しも興味がなく、大嫌いということは少ないと思いますが」とか言っちゃってる。
料理なんかしたくもない人、すごいいっぱいいるのにね。
でもね、そこがミソなんだよ。
多くの男性は多かれ少なかれ、女性に夢見てるところがあるし、だからこそ男性が言われて嬉しい言葉の羅列がタメになるよ。
そこをひっくるめて使うのが1番効果を得られやすいです。
こんな人にもおすすめ
- 男性を人間として尊重することはできる
- 職場での対男性コミュニケーションは、問題なくこなせている
これは、人との距離感や空気感がちゃんと掴める証拠なので、ここから恋愛に持ち込むのは結構ラクなんだよ。
悪い言い方をすると、この本の中身みたいに単純明快に、男のプライドやメンツの立てかた、あえて図に乗せる方法を隠し持っておくといいんじゃないかなー。
いつも言ってる言葉に「一言付け足す」「語尾を変える」だけで「そういう感覚にさせてあげられるんだなー」って感覚で、技巧を得てもらえたらなと。
ゲスな女が、愛される
バーベキューで「パラソルの中にずっといて、日焼け止めを2度塗りし、人に肉を焼かせて飲み物に気を遣わせ、ありがとう〜!ってやってる女」が可愛がられてる理由は?がコンセプトの本です。
結論を言うと、タイトルの「ゲスな女だから」ってよりは「自由でありのままだから」って感じなんですが
- どこまで頑張ったら自由じゃないのか?
- いや、どこまでやらなくてもいいのか?
- ううん、ありのままだと「大人」じゃないよね?
たとえば、グラスが長時間空いてる人がいたら「なにか飲みますか?」って聞くのは、大人なら当たり前だし…
「彼が困ってるなら、してあげられることはするのが当然じゃない?」
じゃあ、なにをどうしたら「常識は欠けてないのに奔放で、可愛がられる自由な女」なの?
ってなかんじで、その辺に明確な線引きが欲しい人向けの本です。比較的、親にちゃんと育てられた人に多い気がしますよ。長女気質のような。
曖昧な線引きが苦手で、できれば白黒ハッキリしてもらえると落ち着くんだけど、恋愛って必ずしもそうじゃないから辛いこともあるよね。
本の中の例えを引用すると、男性にウケる奔放さを得るのはボイストレーニングに近い感覚です。
カラオケでうまく歌えない人は「歌うぞ〜」「声を出すぞ〜」「メロディにのるぞ〜」と、いろんな箇所で力んでしまってる。
ボイトレは「歌が上手くなる方法」じゃなくて「料理しながらなんとなく歌う、りきみの抜けた自然な声をマイクで出す方法」なのね。
これを、恋愛でできるようになるとモテやすいよって本です。
私それ!って思えたら、得るものはあるんじゃないかなー
ここまでアメリカのベストセラーと日本で売れた本、何本か「こんな人にあうよー」「こんなことが得られるよー」って書いてみたんですが
やっぱり、日本の本のほうが前提をガッチリ明確にしてないことが多いですね。
もし、「私それ!」「悩みが同じ!」「それが知りたかった!」って本があったら、今後手を出していくのもアリなんじゃないかなー。
気になるけどイキナリ買うほどじゃない本・試し読みしたけど微妙で、中身はどうなんだろう…みたいなことがあれば、コメントかお問い合わせフォームからメールください。買って書きます。
おわりっ
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